サムシングナイスさむしんぐないす
命短し、恋せよネガティブ。
珠玉の名作『カエル、カタツムリ、イヌの尻尾』に、
新作『ネガティブキャンペーン』を加えた、
まさにサムシングでナイスな一冊。
いかるが
学生の頃に考えていた話がたくさんあって、歳をとったいまでは青臭くておいそれと表に出すのをためらうようなモノたちではあるのですが、そのとき作ったキャラクターたちは、いまでも頭のなかで動いています。
2013年に作った短編集『FUTURISMO』の中に、このキャラクターをたちを使った『カエル、カタツムリ、イヌの尻尾』というモノを書きました。今回も同じ学校を舞台にした作品で、共通して出てくる人物もいます。どうせなので、『カエル、カタツムリ、イヌの尻尾』も再録して一冊の本にしました。
もし、私の作品を読んでくださっているかたがいれば、すぐに気づくのですが、私は三人称で話を書くのが苦手(というかできない)で、ひとりの人物の視点から描くモノしか書いていません。引いて、その場の情景を描くのが、どうもダメなのです。なので、書き下ろした『ネガティブキャンペーン』は、開きなおって、会話のみで構成した作品にしました。戯曲のよう(?)にしたつもりでもないのですが、対話でなにかできないかと考えていました。
知古
『ネガティブキャンペーン』は、会話で構成している作品で、登場人物が5人。それぞれ書体を変えて文字組みをしました。文字バランスを取るのが難しくて、それぞれの性格に合った書体になっていればいいなと思います。