夕暮れゆうぐれ
マチとツグミは駅まで急ぐ。放課後のお喋りに夢中になっていて、あたりはもう夕焼け。駅までは坂道。並んで仲の良いふたりは、早足になりながらも、お喋りが止まらない。あ、次の電車に間に合うかもしれない。
足を速める。息があがる。しだいに会話はあらぬ方向へ……
いかるが
旅行したといたときに、駅前でいがみ合いながら歩いている女子高生を見たんです。それが、喧嘩をしているのか、じゃれ合っているだけなのか、ちょっとわからない雰囲気だったのですが、その光景がなんだかほほえましく思いました。
あのとき、どんな話をしていたんだろうな? 女のコだから、やっぱり恋の話だろうか……みたいなことを考えながら書いた掌編です。
知古
ホチキス留めの簡易的な製本で、本当に小冊子という雰囲気につくりました。単純ですが、夕焼けというタイトルなのでオレンジの用紙。ぼてっとした明朝体の黒さが合っていて、自分でも気に入っているレイアウトです。